イラスト・絵本・キャラクター制作
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ポキート劇場:193

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ジョゼフ・コーネル と ショーン・タン

◆東京からだと気軽には行けないけれど、時々、行かずにはいられない企画があるので訪れるDIC川村記念美術館。「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」(6月16日まで・月休)は期待どおり素敵だった!

平面コラージュも洒落てて良いし、何といっても、立体的コラージュの「箱」がやはり抜群に魅力的。ひとつひとつ覗き込んでは、小宇宙というか小部屋というか、箱の中の世界を楽しんだ。この組み合わせ、この配置、この空間。センスが良いって、こういうことでしょう。想像力をかきたてられる喜びがある。また、集めたフィルムの断片も映像コラージュにしていて、街なかの鳩の群れが苦手な私には今ひとつ…、昔の民族衣装姿が興味深かった作品もあったけど、全体的には少々退屈かも。手紙や本人の写真もあって、ぼんやりとしていた人物像が少し想像できるようになった。

常設の展示も堂々と素晴らしい(ロスコだのステラだの!)し、茶室で和菓子もいただける。そして、美術館と同じくらい時間をかけて楽しめる庭園が素晴らしい。レストランも良さそうだけど、手入れの行き届いた季節の植物を眺めながら、サンドイッチ持参でのんびりベンチで過ごすのが気持ちよかった。桜や藤もキレイだっただろうなぁ、別の季節にも訪れてみたい。

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◆絵本「アライバル」を初めて読んだ時は衝撃だった。移民をテーマに、ファンタジックでユーモラスでもあるのに重厚な作品になっている。まるで映画を一本観たような満足感があった。

その原画を目の前にできる貴重な機会。今までの作品も新作もあり、制作に9年かけたアニメーションもあって、たっぷり堪能できた。再現されたアトリエの壁に、幻想絵画のヒエロニムス・ボスの絵が貼ってあったのにはナルホドなぁと思った。「せみ」のサラリーマン姿と展開に、またスゴイと思う。あふれる才能と丁寧な努力の賜物なのだと感心してしまう。ちひろ美術館・東京での「ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ」は7月28日まで・月休。9月には美術館「えき」KYOTOへ巡回。

〜2019年6月〜

瀬戸内国際芸術祭2019・春会期

◆2010年の第一回から通っている瀬戸内国際芸術祭は三年に一度のトリエンナーレで、もう4回目。暑さに弱いので、いつも秋に訪れていたのを、今回初めて春会期(4/26〜5/26)にしてみた。最終週の平日、天候に恵まれて爽やかに周れた三日間だった。

でもその前に、高松空港からまず向かったのは琴平で、少しでも元気なうちに寄りたいと思いつつ、後回しにしていた金毘羅さん参りをようやく実現した。息を切らせながらも頑張って奥社まで登った!ふだんのウォーキングの成果があったかも。行きにすぐ念願の神椿パフェを食べて、本宮からの景色を楽しみ、あとは高尾山のような道で、心洗われるような爽快感があった。

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◆坂出に出て、芸術祭・春会期のみの沙弥島へ。ダイナミックな瀬戸大橋を見上げつつ、安定の「そらあみ」「大岩島2」「回遊式アニメーション」を。学校会場では塩を使った2作品が特に面白かった。南条嘉毅「一雫の海」は地上と地下の世界を表現。レオニート・チシコフの”塩絵”を使った作品は、まるでオーロラの夜のように幻想的で、これを観られただけでも春に来たかいがあった!

◆二日目は久しぶりの女木・男木と、初めての大島へ。2010年に観たものを除くと、女木島は「段々の風」「こころのマッサージサロン」、男木島は「アキノリウム」「記憶のボトル」そしてダントツで山口啓介「歩く方舟」が気に入った!ホントにコレに会いたかったから。なんてイイ作品なんだろう。美しい風景が美しいだけじゃなくなって、別世界になってしまう魔法。ユーモラスに見えて、”いわきに向かって歩き出し、災禍を鎮めるという思いが込められている”という意味にハッとする。

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◆そして、ハンセン病療養所である大島は、透明な海と大きく広がる松の木々が迎えてくれた。こえび隊の案内を聞き、島内に流れ続けている音楽(乙女に祈り、ローレライ)は目の不自由な方に道が別れていることを知らせる意味があること、海に捨てられていた解剖台(!)、ミニ八十八ヶ所巡り、並んでる神社・教会など、「知る」という体験は、深い悲しみ苦しみまでは共有できなくても、必要なことだと思う。無知が差別を生むのだから。

作品としては鴻池朋子「リングワンデルング」という一周20分ほどの山道がとても良かった。昭和初期に青年団によって作られ、散歩道として親しまれていた旧路を復活させたという。入所者から聞いたエピソードを処々に配置してあり、美しい景色を眺めながらも、かつての出来事を想像しながら歩いた。

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◆三日目は三度目の豊島へ。初めてアシスト付き自転車を借りてみた。バスを待つよりはずっと効率的だけど、上り坂は、思っていたよりも楽々〜っというわけではなかった…。今回真っ先に向かったのはボルタンスキー「ささやきの森」で、山道を20分ほど登った先の極楽世界。奥から風鈴の音が聴こえてきた時はゾクゾクした。しばらく夢のような空間に浸る。

予約していた豊島美術館もやはりいつまでも滞在していたい空間。前回は雨の日でも感動したけど、今回快晴の時はさらに気持ちよかった! 天気ごと、季節ごと、味わいが違いそう。豊島ではこの二ヶ所が別格だと思う。

最後に少し宇野にも寄ったけど、もう少し魅力ある場所になるよう頑張ってもらいたいかな。連日山道を歩いて体力を使い、景色とアートで脳を刺激し、地元の美味しいものをモリモリ食べた三日間。心残りは小豆島のリン・シュンロン作品。間違いなく良いはず。西の島々も興味あるし、秋にも行けたらなぁと思う。さぁ、仕事しなくては。

〜2019年5月・その2〜

ポキート劇場:192

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アートへの情熱、衝動こそアート

◆東京ステーションギャラリーでの「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」が素晴らしかった!セラミックの美しい色と形はとても繊細・緻密な作業であるはずで、豊かなイマジネーションと情熱に圧倒されてしまう。

鳥や蝶などの具象であったり、幾何学的な立体感のある抽象であったり、作風の変化はあるけれど(どちらもイイ)50〜70年代にかけては特に、いかにもその当時の雰囲気が感じられる。凸凹、光と影、微妙な色合いをひとつひとつ丁寧に味わい、映像もじっくりと観るのをオススメしたい。東京は6月16日まで、以後各地へ巡回。

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◆「芳華」という中国映画も良かった。文革時代の青春モノは切なくて好きな作品が多い。歌や踊りの慰問をする文工団の若者たちが、理不尽の波のなかを生きてゆく数十年。いじめも恋も、うまく渡れるもの、辛く病んでしまうもの、迫力ある戦闘シーンには驚いた。135分を長くは感じず、ラストは胸がいっぱいになってホロリ。

◆「櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展」(東京ドームシティ・ギャラリーアーモにて5月19日まで)は、アール・ブリュットやアウトサイダー・アートという分野の展覧会。広島の鞆の浦まで観に行ったこともある、このキュレーターの集めた人々の制作熱をどっぷり浴びた。

村上千洋子・茂樹、スギノイチヲ、小林一緒などの作品はセンスよく面白くて好きな世界。あまりにドロッとしたタイプは苦手だけど、それぞれみっちり集中して制作しているのがわかる。この、やらずにいられない衝動こそがアートなのだと思う。

純粋アートと違い、仕事となると締切とお金が関わってくるので、丁寧にしてもやり過ぎないようにしないと、その塩梅がなかなかね。。

〜2019年5月〜

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