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クリスチャン・ボルタンスキー と 塩田千春 展

◆ボルタンスキーなら最近も庭園美術館で観たけど?と思ったら、2016年の秋頃だった。今回の国立新美術館での「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」は50年の集大成という大規模なもので、ずっしりと見応えがあった。入ってすぐの60年代の短編映像は、あまりに嫌悪感のある作品で驚き、不快な音が漏れるなか眉間にシワを寄せて進み、不穏な空気、悲しみ、神々しさ、と感情がざわつく。過去の記憶や宗教や死をテーマとしているため、館内は暗く、キャプションも無い代わりに配られたマップの字は小さくて、読みづらいのをなんとか読む。

顔写真と電球を組んで祭壇に仕立てたモニュメントのシリーズ、幻想的な影絵のシリーズ、アニミタスやミステリオスに惹きつけられる。電球が振り子のように動いて光と影が行き来し、心臓音が鳴り響く様は、時の流れや人生の残り時間をイメージしてしまう。アニミタスは、辺境の地でたくさんの風鈴が風に吹かれて鳴る作品で、会場では大画面の映像。先月瀬戸内の豊島で初めて体験して感動したので、花火のように生で観る魅力には劣ってしまうけれど、なかなか辿り着けない土地での風景を体験できるのだから、じっくり楽しみたい(9月2日まで・火休)。

表参道のエスパス・ルイ・ヴィトン東京でも、豊島と死海(イスラエル)でのアニミタスを観ることができる。(11月17日まで・無料)

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◆森美術館での「塩田千春展 魂がふるえる」も大規模な回顧展で、やはり記憶や不安や生死をテーマとしている。自身の個人的体験に因る(海外生活でのアイデンティティ、病気、出産、再発…)ため、ヒリヒリと痛々しい作品もあり、初期の裸の映像は、草間彌生的な不安感を感じた。たぶん初めて作品を観たのは、瀬戸内国際芸術祭・第一回の2010年なのかも。豊島での「遠い記憶」は、取り壊された家屋の窓枠を集めて廃校に設置した、切ない気持ちになる作品。その後は各地でいろいろと観てきたけれど、今回初期の映像を観て、こんな感じだったのかと驚いた。

船と赤い糸のインスタレーションは素晴らしく、天から降り注いでる魂を浴びるようで、わぁっと声が出そうなほど。黒い糸を使ったタイプは重々しく、不穏な空気が呪いのごとく漂っている。窓枠、ドレス、靴、トランク、扉、鍵… 人々の生きた証のようで。小さな玩具が散らばったコーナーがとても気に入って、しばらく隅々まで見て楽しんだ。

それにしても、糸を編み込む作業など、インスタレーションの気が遠くなる作業の甲斐があって、圧巻の空間となっている。ボルタンスキー50年に対して塩田さん25年の活動、引けを取らない堂々たる展覧会! 舞台美術も手がけているから空間を一変させる魔法が使える方なのだと思う。10月27日まで。

西新宿のケンジタキギャラリーでも塩田千春展を同じ期間やっていて、小さめの作品を無料で観られる。予習復習としても、余韻としても良いかも。

梅雨でシトシト、家でコツコツの日々、少しでも楽しく過ごしたい。

〜2019年7月〜

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