![]() 久しぶりのホドロフスキー、近未来の恋愛も◆1980年代の終わりに、ホドロフスキー監督の「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」と立て続けに観て、アートとしては美しいながらも、強烈さにクラクラ、訳わからなさにグッタリしたもので、その後の「サンタ・サングレ」がずいぶん洗練されて面白かったのを憶えてます。
それ以来の新作が23年ぶり!に来るというのにビックリ! 新作の前に、まず「ホドロフスキーのDUNE」を観ることに。 私の中ではすっかり過去の人だったけれど、85歳のホドロフスキーは思いがけずチャーミングで若々しくて、好感が持てたし元気が出ました。H.R.ギーガーの方がずっと怪しくて不気味…。 リンチ監督の「DUNE 砂の惑星」は街の大看板や宣伝でそそられずに観なかったのだけど、今回のこのドキュメンタリーで、ホドロフスキー版があまりに壮大過ぎたのを知って、実現されなかったのが本当に残念!(ムリも無いけど) 絵コンテの見せ方もイイ感じに想像させてくれて、とても楽しめました。 ◆そして新作の「リアリティのダンス」。 監督自身の少年時代を描いているせいか、今までのような哲学的な宗教色は弱まっていて、政治的な空気のなかにありました。 とはいえ中南米的な魔術的リアリズムと色彩で、お約束の素っ裸に障害のある人々、そうそう、この濃厚さ、久しぶりに味わえて良かったです。 母親のセリフが歌だったり(身体に眼が釘付け)、アイスクリーム屋のハート形の車だとか、赤い靴のエピソード等、印象深い素敵なモノがたくさん詰まっていて、さらに観やすくなったみたい。 家族で創っているのも微笑ましいし、次回の新作も楽しみに待ちましょう。 ![]() ◆ホドロフスキーものの後はスパイク・ジョーンズ作品も薄口に感じてしまうけど「her 世界でひとつの彼女」は、なんとも奇妙で未来的なラブストーリーでした。 人間とコンピューターOSとの恋愛。見た目も大切だけど、声や会話がかなり重要というのは理解できます。二人で口ずさむ歌がとても素敵。 でも、道行く人々が一人で(イヤホンごしのOSと)会話しているのが現実になりそうでナンダカなぁと思ってしまう。 主人公の職業もユニークだけど、まさか現実にはあってほしくないし。 近未来のL.A.ってやけにアジア系が多いと思ったら、上海でも撮影しているようで、へぇーな風景でした。 猛暑もようやく落ち着いてホッとしました。秋が待ち遠しい… 〜2014年7月〜 (( N E W S ))
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イラスト・絵本・キャラクター制作
冬壺茶壺 〜かわむらふゆみWebサイト〜
illustrator/KAWAMURA Fuyumi