旅と絵本とデザインと◆日食を観るには必ず専用のメガネを使用するように、とテレビや新聞で告知されていたけれど、小学生の頃校庭で皆で座り込んで観察した時は、黒い下敷きのようなモノが配られた覚えがあり、今更そんな事言われても…と思いました。(東京で、やはり今回のように部分日食)
それなのに今回、その時間になった時、見えそうもないと思いながら空を見上げたら、厚い雲が動いて薄い膜の奥に三日月型の太陽(光り具合もまるで月のような)が現れた瞬間を見てしまいました。あまりにもタイミングが良すぎてゾクッと興奮しましたが、裸眼だったのでなんか心配。あんなに淡い光だったのにしばらく目がギンギンしたので、通常の光線なら本当に危険。NHKの映像は美しかったです。 ◆「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」(世田谷文学館にて9月6日まで/月休*例外あり)はとても良かったです。2階全体を使った規模が大きめの展示で、雑誌のアートディレクター、イラストレーター、絵本作家、旅人、などの多彩な活動が紹介されています。私が子供の頃はちょうど堀内誠一が大活躍だった時で、彼の作品に囲まれて育ってきた事を実感しました。 「ぐるんぱのようちえん」は大好きで、「マザーグースのうた」もよく見ていたし、かがくのとも「ちのはなし」は赤血球がなんだか怖くて印象的でした。こどものとも「てがみのえほん」は中でも一番のお気に入りで、今でも大切にとってあります。「ふらいぱんじいさん」も手放せません。そしてマガジンハウスの雑誌の数々。 同じ人とは思えないほど画風が全く違ったりしますが、共通しているのは、生き生きとした線と遠い外国の雰囲気を感じること。旅好きならではのセンスなのでしょう。 アンアンは創刊時はとんでもなく洒落ていたことに驚き、旅のイラストエッセイや手紙からは、好奇心たっぷりでマメな人柄が感じられます。 グラフィックデザインの”手仕事”という4分程の映像は、烏口、溝引き、コンパス、定規などを駆使した当時のやり方を再現していて、なんだか感動しました。大学時代を思い出し、現代のコンピューターの時代からは考えられない、古き良き、古き手作業の時代。今もかなりアナログな私は化石なのかな?少々身につまされます。 マガジンハウスや福音館書店ほかで現在もちゃんと残っていて全く古びていない、彼の手作業の美しい仕事の数々は必見ものです。 ◆新宿の高層ビルにある損保ジャパン東郷青児美術館での「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」(8月30日まで・月休)も見応えがありました。 有名な絵本の原画を観るチャンスです。本当に原画というのは美しく、細部の意外な発見もあって面白いものです。 今回もっとも観たかったのは大好きな永遠の名作「てぶくろ」の原画。たしか3点あって、もう、うなるほどの上手さ。美しくて楽しくて、寒そうだけどほわほわ暖かく、動物達の匂いを感じるような。ちひろ美術館のコレクション、充実しています。 〜2009年7月〜 (( N E W S ))
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イラスト・絵本・キャラクター制作
冬壺茶壺 〜かわむらふゆみWebサイト〜
illustrator/KAWAMURA Fuyumi
堀内誠一、わしらの子供時代はほんと全盛期だったよねぇ。マザーグース、まだ揃えて持ってるよ。
そして「てぶくろ」の原画、すげー羨ましい!
烏口やロットリングは死語なのかな?どっちも苦手でした。。。
日食ツアーの話、聞きたいです。東京では暗くならなかったから。
絵本原画展、絶対見てくる!
損保ジャパン〜のほうは、金曜だけ夜8時まで(入場は30分前まで)なので会社帰りに行きやすいと思いますよ。