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トリックアート 戦国時代

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トリックアートアドベンチャーシリーズ/絵本イラスト/あかね書房(2019)

クリスチャン・ボルタンスキー と 塩田千春 展

◆ボルタンスキーなら最近も庭園美術館で観たけど?と思ったら、2016年の秋頃だった。今回の国立新美術館での「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」は50年の集大成という大規模なもので、ずっしりと見応えがあった。入ってすぐの60年代の短編映像は、あまりに嫌悪感のある作品で驚き、不快な音が漏れるなか眉間にシワを寄せて進み、不穏な空気、悲しみ、神々しさ、と感情がざわつく。過去の記憶や宗教や死をテーマとしているため、館内は暗く、キャプションも無い代わりに配られたマップの字は小さくて、読みづらいのをなんとか読む。

顔写真と電球を組んで祭壇に仕立てたモニュメントのシリーズ、幻想的な影絵のシリーズ、アニミタスやミステリオスに惹きつけられる。電球が振り子のように動いて光と影が行き来し、心臓音が鳴り響く様は、時の流れや人生の残り時間をイメージしてしまう。アニミタスは、辺境の地でたくさんの風鈴が風に吹かれて鳴る作品で、会場では大画面の映像。先月瀬戸内の豊島で初めて体験して感動したので、花火のように生で観る魅力には劣ってしまうけれど、なかなか辿り着けない土地での風景を体験できるのだから、じっくり楽しみたい(9月2日まで・火休)。

表参道のエスパス・ルイ・ヴィトン東京でも、豊島と死海(イスラエル)でのアニミタスを観ることができる。(11月17日まで・無料)

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◆森美術館での「塩田千春展 魂がふるえる」も大規模な回顧展で、やはり記憶や不安や生死をテーマとしている。自身の個人的体験に因る(海外生活でのアイデンティティ、病気、出産、再発…)ため、ヒリヒリと痛々しい作品もあり、初期の裸の映像は、草間彌生的な不安感を感じた。たぶん初めて作品を観たのは、瀬戸内国際芸術祭・第一回の2010年なのかも。豊島での「遠い記憶」は、取り壊された家屋の窓枠を集めて廃校に設置した、切ない気持ちになる作品。その後は各地でいろいろと観てきたけれど、今回初期の映像を観て、こんな感じだったのかと驚いた。

船と赤い糸のインスタレーションは素晴らしく、天から降り注いでる魂を浴びるようで、わぁっと声が出そうなほど。黒い糸を使ったタイプは重々しく、不穏な空気が呪いのごとく漂っている。窓枠、ドレス、靴、トランク、扉、鍵… 人々の生きた証のようで。小さな玩具が散らばったコーナーがとても気に入って、しばらく隅々まで見て楽しんだ。

それにしても、糸を編み込む作業など、インスタレーションの気が遠くなる作業の甲斐があって、圧巻の空間となっている。ボルタンスキー50年に対して塩田さん25年の活動、引けを取らない堂々たる展覧会! 舞台美術も手がけているから空間を一変させる魔法が使える方なのだと思う。10月27日まで。

西新宿のケンジタキギャラリーでも塩田千春展を同じ期間やっていて、小さめの作品を無料で観られる。予習復習としても、余韻としても良いかも。

梅雨でシトシト、家でコツコツの日々、少しでも楽しく過ごしたい。

〜2019年7月〜

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ジョゼフ・コーネル と ショーン・タン

◆東京からだと気軽には行けないけれど、時々、行かずにはいられない企画があるので訪れるDIC川村記念美術館。「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」(6月16日まで・月休)は期待どおり素敵だった!

平面コラージュも洒落てて良いし、何といっても、立体的コラージュの「箱」がやはり抜群に魅力的。ひとつひとつ覗き込んでは、小宇宙というか小部屋というか、箱の中の世界を楽しんだ。この組み合わせ、この配置、この空間。センスが良いって、こういうことでしょう。想像力をかきたてられる喜びがある。また、集めたフィルムの断片も映像コラージュにしていて、街なかの鳩の群れが苦手な私には今ひとつ…、昔の民族衣装姿が興味深かった作品もあったけど、全体的には少々退屈かも。手紙や本人の写真もあって、ぼんやりとしていた人物像が少し想像できるようになった。

常設の展示も堂々と素晴らしい(ロスコだのステラだの!)し、茶室で和菓子もいただける。そして、美術館と同じくらい時間をかけて楽しめる庭園が素晴らしい。レストランも良さそうだけど、手入れの行き届いた季節の植物を眺めながら、サンドイッチ持参でのんびりベンチで過ごすのが気持ちよかった。桜や藤もキレイだっただろうなぁ、別の季節にも訪れてみたい。

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◆絵本「アライバル」を初めて読んだ時は衝撃だった。移民をテーマに、ファンタジックでユーモラスでもあるのに重厚な作品になっている。まるで映画を一本観たような満足感があった。

その原画を目の前にできる貴重な機会。今までの作品も新作もあり、制作に9年かけたアニメーションもあって、たっぷり堪能できた。再現されたアトリエの壁に、幻想絵画のヒエロニムス・ボスの絵が貼ってあったのにはナルホドなぁと思った。「せみ」のサラリーマン姿と展開に、またスゴイと思う。あふれる才能と丁寧な努力の賜物なのだと感心してしまう。ちひろ美術館・東京での「ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ」は7月28日まで・月休。9月には美術館「えき」KYOTOへ巡回。

〜2019年6月〜

瀬戸内国際芸術祭2019・春会期

◆2010年の第一回から通っている瀬戸内国際芸術祭は三年に一度のトリエンナーレで、もう4回目。暑さに弱いので、いつも秋に訪れていたのを、今回初めて春会期(4/26〜5/26)にしてみた。最終週の平日、天候に恵まれて爽やかに周れた三日間だった。

でもその前に、高松空港からまず向かったのは琴平で、少しでも元気なうちに寄りたいと思いつつ、後回しにしていた金毘羅さん参りをようやく実現した。息を切らせながらも頑張って奥社まで登った!ふだんのウォーキングの成果があったかも。行きにすぐ念願の神椿パフェを食べて、本宮からの景色を楽しみ、あとは高尾山のような道で、心洗われるような爽快感があった。

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◆坂出に出て、芸術祭・春会期のみの沙弥島へ。ダイナミックな瀬戸大橋を見上げつつ、安定の「そらあみ」「大岩島2」「回遊式アニメーション」を。学校会場では塩を使った2作品が特に面白かった。南条嘉毅「一雫の海」は地上と地下の世界を表現。レオニート・チシコフの”塩絵”を使った作品は、まるでオーロラの夜のように幻想的で、これを観られただけでも春に来たかいがあった!

◆二日目は久しぶりの女木・男木と、初めての大島へ。2010年に観たものを除くと、女木島は「段々の風」「こころのマッサージサロン」、男木島は「アキノリウム」「記憶のボトル」そしてダントツで山口啓介「歩く方舟」が気に入った!ホントにコレに会いたかったから。なんてイイ作品なんだろう。美しい風景が美しいだけじゃなくなって、別世界になってしまう魔法。ユーモラスに見えて、”いわきに向かって歩き出し、災禍を鎮めるという思いが込められている”という意味にハッとする。

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◆そして、ハンセン病療養所である大島は、透明な海と大きく広がる松の木々が迎えてくれた。こえび隊の案内を聞き、島内に流れ続けている音楽(乙女に祈り、ローレライ)は目の不自由な方に道が別れていることを知らせる意味があること、海に捨てられていた解剖台(!)、ミニ八十八ヶ所巡り、並んでる神社・教会など、「知る」という体験は、深い悲しみ苦しみまでは共有できなくても、必要なことだと思う。無知が差別を生むのだから。

作品としては鴻池朋子「リングワンデルング」という一周20分ほどの山道がとても良かった。昭和初期に青年団によって作られ、散歩道として親しまれていた旧路を復活させたという。入所者から聞いたエピソードを処々に配置してあり、美しい景色を眺めながらも、かつての出来事を想像しながら歩いた。

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◆三日目は三度目の豊島へ。初めてアシスト付き自転車を借りてみた。バスを待つよりはずっと効率的だけど、上り坂は、思っていたよりも楽々〜っというわけではなかった…。今回真っ先に向かったのはボルタンスキー「ささやきの森」で、山道を20分ほど登った先の極楽世界。奥から風鈴の音が聴こえてきた時はゾクゾクした。しばらく夢のような空間に浸る。

予約していた豊島美術館もやはりいつまでも滞在していたい空間。前回は雨の日でも感動したけど、今回快晴の時はさらに気持ちよかった! 天気ごと、季節ごと、味わいが違いそう。豊島ではこの二ヶ所が別格だと思う。

最後に少し宇野にも寄ったけど、もう少し魅力ある場所になるよう頑張ってもらいたいかな。連日山道を歩いて体力を使い、景色とアートで脳を刺激し、地元の美味しいものをモリモリ食べた三日間。心残りは小豆島のリン・シュンロン作品。間違いなく良いはず。西の島々も興味あるし、秋にも行けたらなぁと思う。さぁ、仕事しなくては。

〜2019年5月・その2〜

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