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ポキート劇場:238

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超絶技巧 と スコセッシ監督超大作

◆毎回息を止めるようにして見入ってしまう展覧会の第三弾「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」はやはりとんでもなく素晴らしかった。一点一点じっくりと味わう丁寧な仕事、人間業とは思えない精巧な技術。明治時代の名工たちも凄いのだけど、コンピューターの時代にも手でこんなにも造れてしまう若い人たちがいるって事に感動する。

小さなリング状の陶磁、繊細な美しいガラス、リアルなスルメと茶碗の木彫、虹色の数字は螺鈿だし、スニーカーはケント紙でできていて。本物を目の前にして驚愕してほしい。制作過程の動画を見るのを忘れずに! 東京は三井記念美術館で11月26日まで(月休)各地巡回。

 

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◆マーティン・スコセッシ監督の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を観た。ディカプリオ主演で、アメリカの黒歴史を知ることになる実話に基づいた3時間半の超大作。白人によって追いやられた土地に石油が出て、大金持ちになった先住民たち。その富を横取りするために次々と殺人事件が起こるという恐ろしくて酷い話。

妻への愛情もありながら愚かな言いなりの男がディカプリオで、笑顔でも腹の中はわからないデ・ニーロは適役、先住民である妻を演じたリリー・グラッドストーンはとても魅力的だった。長さで尻込みする人もいそうだけど、緊迫感でクギ付けとなってダレることなく一気に進んだ感覚。ラストに監督自身が涙を浮かべながら”その後”を語る姿にぐっと来たし、エンドロールは印象的だった「沈黙 −サイレンス−」のときと同じ、自然界の中で人間はなんて愚かなのかと感じ入ってしまった。劇場の大画面で、大音量で、ぜひ。

 

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◆9月に観た「デイヴィッド・ホックニー展」(東京都現代美術館・11月5日で終了)は作品の素晴らしさはモチロン、86歳のパワーに圧倒された。新たなものへの興味と挑戦、そして体力。天才って技術だけではないのだな。凄すぎてなんだか書きそびれてしまった。

10月に軽井沢でたくさんのキノコに会えた。今年は猛暑で時期がずれ込んで、タマゴタケが中旬も続々と出ていたし、逆にクリタケは遅れていて会えなかった。こちらではほんの少しの紹介。インスタグラムの方ではキノコ多めにアップしているので、興味ある方はフォローしてみてください。

〜2023年10月〜

1Cのイラストいくつか 2022-23

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  月刊誌/カット・コラムイラスト/ペーパーハウス(2022-23)

植物と歩く & 山下清 展

練馬区立美術館のコレクション展「植物と歩く」が500円で満足度が高かった。練馬区ゆかりの牧野富太郎の石版画をじっくり観るいい機会になるはず。正確で美しく、こだわりのある精緻な線描にはこちらも息を止めて眼を見張るほど素晴らしい。
牧野には少し物足りなかったらしい大正時代の和綴本「本草図譜」だってとても良かった。現代の作家では、倉科光子の草を描いた水彩画は気が遠くなりそうな細かさで驚いたし、メインビジュアルになっている佐田勝の油彩「野霧」がとても気に入った。可愛らしさと深遠な空気感があって引き込まれた。8月25日まで・月休。

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◆初めて訪れたSOMPO美術館での「山下清展 百年目の大回想」は平日でも混んでいた。テレビドラマでよく見ていたものの、作品を観るのは初めてだった。生誕100年! 子供の頃から49歳で亡くなるまでの才能あふれる作品群はどれも素晴らしくて、細部までじっくり堪能して2時間もかかった(グッズコーナー含む)。
幼い時の虫の絵はシンプルながら的確に特徴をとらえているし、貼り絵なんて”コヨリ”を駆使したスゴ技で圧巻! ペン画も陶器の絵付けもセンスがいい。
その場ではスケッチをせず、一度見た景色は忘れないという特殊能力を持っていたので、後日、さらに何年経っても描けるのだそう。
着物やリュック、文章もあって、ドラマでの独特の話し方を思い浮かべながら読んでみた。生き物系の絵が気に入ったので、久しぶりにグッズに手を出してしまったほどの、オススメしたい展覧会。東京・新宿では9月10日まで(月休)で各地巡回。
〜2023年8月〜

ぐんぐん考える力を育むよみきかせ むしのお話20

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児童書/三話のイラスト/国立科学博物館 監修/山下美樹 作/西東社(2023)

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